「風穴」は自然の冷蔵倉庫
山や崖の斜面にある穴から冷たい風が吹き出してくる。そうした穴は、「風穴(ふうけつ)」と呼ばれてきました。「風穴」は日本各地で確認されており、穴の大きさも人が入れる洞窟のようなものから、手も入らないような小さな穴までさまざまです。
日本では、昔からこうした「風穴」を自然の冷蔵庫として利用してきました。穴の周りを囲むように小屋を建て、そこに保存したいものを貯蔵します。まさに冷蔵倉庫です。
「風穴小屋」は、蚕(かいこ)の卵を保存しておくことを目的に明治時代に盛んに作られ、日本の養蚕業を支えました。養蚕業の衰退とともに、「風穴小屋」もほとんどが姿を消してしまいましたが、自然を上手に活用する賢さは、第一倉庫冷蔵も大いに見習いたいところです。